パネル作り

私は描く絵の大きさが市販のものと違うため、紙の大きさに合わせてパネルを自分で作ります。

和紙

清帳箋
清帳箋

和紙はいろいろな紙を使いますが、今はほとんど高知の尾崎さんの手すき和紙を使っています。清帳箋とという楮紙と清光箋という三椏紙で、大きな絵はニ双紙という二枚重ねの紙を使っています。 最近画仙紙にも興味をもっています。藁が原料の中国画仙紙は弱いのですが発色がよく、面白いです。竹を原料にした画仙紙も描き心地がいいです。

ドウサ

紙のにじみを抑えるドウサ引きは弱めに引いています。厚塗りの場合は強く引かないともたないのですが、私は比較的薄塗りですので、弱めにしています。できるだけ紙をいじめないように、と思っています。

パネル張り

パネルには霧吹きをして伸ばした和紙を水張りテープで「袋張り」(周りだけはる)にしています。四隅の引っ張りをうまくしないと角にしわができてしまうので注意しています。

下絵描き

下絵は墨で描きます。伝統的な技法では、大下絵を描き、トレスして骨描きしますが、私は和紙に直接墨で下絵を描くことが多いです。

下塗り

下塗りは水干絵の具を使います。個別の色というよりも画面全体をどういう感じでまとめていくのかということを考えながら全体的な色具合やマチエールに気を使います。全体的な色具合の中で個別の色を考えていきます。

色絵付け

墨の線を生かしながら描いていく場合と、墨の線を消して描きこんでいく場合と両方あります。線を生かす場合は何回も描き起こしを行いながら岩絵の具を被せていきます。岩絵の具は比較的小さい粒子のものを使っています。


日本画の画材について

                               百瀬
1.和紙
  原料―麻、楮、三椏、雁皮、藁、竹、桑、他  トロロアオイ、胡粉
  名称様々―<産地>越前紙、土佐紙、杉原紙、三須紙、駿河紙、他
       <用途>襖紙、障子紙、奉書紙、他
       <乾かし方>単層紙、二層紙、三層紙 他様々な命名が
  代表的な紙―麻紙、鳥の子紙、細川紙、画仙紙、美濃紙
2.墨
  油煙墨―菜種油、胡麻油、椿油、他
  松煙墨
  膠
3.筆―羊毛、馬、狸、鼬、猫、鹿、栗鼠、狼など
  線描き用―削用、則妙、面相など
  付立筆―長流、玉蘭、如水など
  彩色用―彩色筆など
  隈取筆―ぼかしなどに
  平刷毛、唐刷毛、連筆など
4.絵具
  胡粉―貝殻の粉
  顔彩―天然高級でんぷん質と膠・顔料
  水干―胡粉、白土に染料。泥絵の具。
  天然黄土―濃口黄土、淡口黄土、もっとも微粒子の上汁黄土、
  朱土―黄土を酸化させる
  岩絵の具―天然岩絵の具、新岩絵の具、合成岩絵の具
     天然岩絵の具―緑青(孔雀石)、群青(藍銅鉱)、金茶(金茶石)、辰砂(辰砂鉱)
     朱(水銀)、方解末、水晶末、他
  大きさで分類―1番から15番位と白(びゃく)
  岩絵の具の名前―古代錦、山吹、黄土、岱赭、紫紺、藤紫、紫紺末、辰砂、古代朱、利休

     鼠、緋、蘇芳、白群、浅葱、納戸、群青、緑青、白緑、群緑、鶯、鶸色、若葉など
5.膠
  膠―動物の骨髄、皮革などからとったゼラチン。 鹿膠、三千本膠他
  ドウサ液―膠にミョウバンを加えた目止め液 およそ
6.箔・泥
  金、銀、プラチナ、アルミ、他